概要
Heliumは、ungoogled-chromiumを大きく改変して作られているChromium系Webブラウザです。プロジェクトは「privacy-first」「unbiased ad-blocking」「no bloat / no noise」を掲げ、uBlock Originのforkをブラウザcomponentとして組み込みます。2026年9月15日公開の0.17.1はChromium 153.0.8010.47を基盤とし、macOS・Linux・Windows向け配布を別リポジトリで提供しています。現時点ではbetaです。
特徴と向いている用途
公式資料に基づく紹介・実機未検証 · 内容確認日:
Chromium互換を土台にしながら、ungoogled-chromium由来のGoogle依存削減を取り込む
HeliumはChromiumを直接ゼロから作り直すブラウザではなく、ungoogled-chromiumをベースに多数の独自patchを重ねる構成です。ChromiumのWeb互換性・extension ecosystemを利用しながら、stock Chromium/Chromeとは異なるprivacy方針を採る点が中核です。
READMEはHelium固有patchに加えて、Inox、Debian、Bromite、Iridium Browser、Brave由来のpatchも取り込むと説明しています。0.17.1ではChromium 153.0.8010.47および同世代のungoogled-chromiumへ追従しています。
uBlock Originを外付け前提にせずbrowser componentとして統合する
0.17.1の依存定義にはimputnet/uBlock由来のuBlock Origin 1.74.0-2が含まれ、third_party/ublockへ組み込まれます。Helium側のpatch setにはuBlockをcomponentとしてinstall・configureする処理があり、通常の「あとからextensionを追加する」構成とは異なります。
0.17.1ではbundled uBlock向けのCNAME uncloaking supportも追加されています。プロジェクトが掲げるad blockingを、配布ブラウザの一部として継続管理している点が特徴です。
本体だけでなくmacOS・Linux・Windows packagingと周辺componentも公開する
READMEはmacOS・Linux・Windows向けのpackaging/toolingをそれぞれ別のGitHub repositoryで公開し、helium-services、onboarding、uBlock forkなど周辺componentもopen sourceとして列挙しています。
利用者はhelium.computerから自分のplatformに合うbinaryへ進めます。一方、main repositoryのGitHub Release自体にはOS向けbinary assetを持たず、配布責務をplatform repositoryへ分離しています。
Chromium系サイト互換性を維持しつつ、Chromeとは異なるprivacy既定値と広告blockingを求める人に
WebサイトやChromium系extensionとの互換性を重視する一方、stock ChromeのGoogle統合をそのまま前提にしたくない人が比較しやすい選択肢です。特に、広告blockingを別extensionの導入手順ではなくbrowser側の構成として持ちたい場合にHeliumの設計差が分かりやすく出ます。
現在はbeta。日常のprimary browserへ切り替える前に既存profileを残して試す
公式READMEはHeliumを現在betaと明記し、unexpected issuesが起こり得るため未報告の問題をreportしてほしいと案内しています。
password、session、extension、download、Web会議などbrowserは利用範囲が広いため、最初から既存browserを置き換えるより、別profile・別browserとして主要サイトと業務flowを確認してから移行範囲を広げる方が安全です。
出典:[2]
Stock Chromeと同一のSafe Browsing構成ではない。privacyとsecurity featureを別々に確認する
0.17.1に含まれるungoogled-chromium系patchでは、chrome/browser/safe_browsing、advanced_protection、metrics_collector、suspicious_site_warningsなど複数のSafe Browsing関連dependencyをbuildから外す変更が確認できます。
Googleへの通信を減らすprivacy方針と、phishing・malware・危険download等から守るsecurity featureは同義ではありません。stock Chromeと同じ保護機能がそのまま残ると仮定せず、自分のthreat modelに必要な機能を確認する必要があります。
出典:[6]
Chromium forkはupstream追従速度がsecurityに直結するため、release freshnessを継続確認する
browserは大規模な攻撃面を持つため、Chromium upstreamのsecurity fixへどれだけ速く追従できるかが重要です。0.17.1は公開時点のChromium 153.0.8010.47へ更新されていますが、これは一回のversion一致だけで将来の追従を保証するものではありません。
導入後もHelium releaseとChromium stable/security updateの時差を確認し、更新が滞った場合に一時的に別browserへ戻せる運用にしておくと判断しやすくなります。
出典:[3]
GitHub表示はGPL-3.0だが、取り込み元codeは元のlicenseを保持する
Helium固有のcode、patch、その他unique contentはGPL-3.0で提供されます。一方READMEは、他projectからimportされたcontentは元のlicenseを維持すると明記し、ungoogled-chromium由来の未変更codeではBSD 3-Clauseを例示しています。
そのため「repository内の全fileが一律GPL-3.0」と解釈しない方が正確です。再配布や派生browserを作る場合は、Helium固有部分だけでなくChromium・ungoogled-chromium・取り込みpatchごとのlicense noticeも確認してください。
参考にした公式資料
- [1]imputnet/helium — GitHub repository metadata(2026-09-16)
- [2]Helium 0.17.1 — README(2026-09-16)
- [3]Helium 0.17.1 release(2026-09-16)
- [4]Helium 0.17.1 — bundled dependency definitions(2026-09-16)
- [5]Helium — uBlock component integration patch(2026-09-16)
- [6]Helium 0.17.1 — ungoogled-chromium Safe Browsing build patch(2026-09-16)
- [7]Helium 0.17.1 — GPL-3.0 license text(2026-09-16)
編集部からの補足
Chromium系のWeb互換性を保ちながら、ungoogled-chromiumと組み込みuBlockを中核にprivacyを既定値へ寄せている点を評価しました。betaであること、Stock Chromeと異なるSafe Browsing構成、Chromium追従速度、取り込み元を含む混在ライセンスが導入判断の要点です。
3ステップで試す
- 1
公式ダウンロードを開く
公式サイトがmacOS・Linux・Windowsのうち利用環境に合うbinaryを選びます。Heliumは現時点でbetaです。
https://helium.computer/ - 2
OS向けbuildをインストール
READMEが案内するplatform releaseから取得し、通常のdesktop applicationとしてインストールします。
macOS / Linux / Windows → Install Helium - 3
既存browserを残したまま試す
普段使うサイト、extension、login flowを確認します。betaのため、既存browser/profileを残して併用してください。
Launch Helium → Open your regular sites
成長
成長の推移 · 直近30日
20,705 Stars
推移データを蓄積中です。
開発アクティビティ
直近90日・週次
- Commit(直近30日)
- 116
- Open PR
- 22
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